花さき山
私の母は、東日本大震災のときに怪我をし、その後、 外出の頻度が極端に落ちたため認知症を発症してしまいました。 しかし、そんな母を見舞いに行き、 「花さき山」の話しをすると、ぱっと明るくなり 「花さき山は良いよね。大好きだ。」 と、笑顔で言うのです。
先日、母の見舞いに行った際、「花さき山」を持参し、 私がしてもらったように、母に読み聞かせをすると喜んでました。 枕元に「花さき山」を置くと、嬉しそうに見つめました。
「花さき山」とは、小さい頃、幼稚園や小学校をしょっちゅうずる休みする私に、 母が買ってきてくれた絵本の題名です。 私は、母が読み聞かせをしてくれるのが大好きでしたし、 母も切り絵作家故滝平二朗氏の絵はもとより、そのお話し(故斎藤隆介氏)の内容も 非常に気に入っていたようで、感情表現豊に話してくれたことを思いだします。 (因みに母はこの絵本より前に、同じく故滝平二郎氏の切り絵の「江戸いろはかるた」 も、 私に買ってくれました。私はそのかるたも大好きでした。)
私は、この絵本には、現代、そして今後の社会に大事なメッセージが、 分かりやすく説かれていると思っています。社会の仕組み、経済の仕組み、 ITの仕組みも含め、大いに見習うべきものがあると確信します。 すでにご存知の方も多いとは思いますが、 別に本屋さんの回し者ではありませんが、是非、ご一読ください。
内容を簡単に説明すると、 誰かが良いことをすると、 その時我慢した涙の露がのった、自分が咲かせた花が、 普段は誰も訪れることができない特別な山、花さき山に一輪咲くんだよ。 というお話しです。 (お話しの中では「山」などができる理由も語られます。)
この絵本を読んでもらった翌日から、私は、 何かやるときや、やったとき。 「花さき山に花は咲くかな、咲いたかな。」 などと、心の中で思うようになっていました。 母に、さっきこんなことしたんだけど、花さき山に花は咲いたかな? などと尋ねると、 「あー、きっと咲いたね!」 なんて会話をしたものです。 当然ながら、私の子供にも「花さき山」プレゼントしました。
さて、来年の03月11日には、東日本大震災から、10年になります。 弊社のホームページは、東日本大震災発災当時の内容をほとんどそのまま、 敢えて維持しています。 それは、本当の意味では復興すらできていないと感じているからです。 しかし来年は、区切りとして、リニューアルしたいと考えています。
今の世の中よりも、少しでも良い世の中になるよう、 微力ながら弊社も貢献したいと考えております。 世界的な感染症問題も広がっていますが、 たくさんの人が、幸せになりますことを祈りつつ。
2020年03月11日 グローバルフレンドシップ株式会社 代表取締役社長 保倉 豊
参考:勝手ながらご紹介します。(岩崎書店様、お許しください) ◆絵本『花さき山』五十周年 特設サイト https://www.iwasakishoten.co.jp/special/hanasaki/