割符提唱者自身が最初に利用した情報管理アプリを
今を遡ること約18年前、私(GFI代表保倉豊)は、プロト段階の電子割符の初期テストを行い、大変な仕組みを作ってしまったと感じました。
なぜなら、開発した我々でも割符一つからは原本情報を導き出せないからです。
暗号化や符号化は、一般論として全変換(写像)ですから、逆変換の可能性がありますが、実際に原本情報にゴミを加えビットレベルで本当に分割処理してしまう電子割符では、一部の割符ファイル(部分集合)が入手できても原本に戻しようが無いからです。
しかしそれは、開発当初に定めた基本設計なのですから、当たり前なのです。
例えば、開発者が誘拐されたとしてもそもそもバックドアのようなものは存在しません。
なので、そうした開発当事者を誘拐等することも無意味である。
そんなレベルの技術開発をしていたのですから。
しかしそれでも、本当に自分が考えたものが目の前に出現し、実際に機能する様を見て、本当にこれを世に出して良いのか。
長い間自問自答しました。
その頃世界的にも稀有な国内テロ事件が発生していたこともあります。
更に、間もなく、9.11の事件も発生しました。
弊社はここから、情報政策官庁様とこの技術を如何に市場供給していくべきか。
といった意見交換を重ね、万が一の際に、捜査協力等を可能すべく、3−1型(3つの割符のうち2つで原本情報復元)の機能等を追加しました。
注:
この機能は後に、東日本大震災等激甚災害発生時等でのデータ消滅等への、有効な対策として利活用検討されることとなります。
一つはっきりしていたことは、弊社がそのような懸念を元に、当該技術の市場供給を控えたとしても、世界中のどこかで同様な仕組みを生み出す者が出現し、そうした当該分野の専門家であれば容易に想定できる事態を無視して、経済最優先で市場に開示・提供し、現実に社会を揺るがすような事件を起こす可能性をゼロにすることはできない。
ということです。
そこで、
一刻も早く健全な利用モデルを確立し、その利用モデルから市場普及させることを第一に考えることが、結果として社会が当該新技術に慣れ親しみ、如何に利活用するかの知見を得るのに必要だと判断しました。
同時に、当該技術の詳細実装等の情報開示を自ら行うことは、その実装情報等を不適切に利用する者を幇助する形となる為、当面差し控える。という方針を取りました。
注:
現在は、技術標準化の取り組みの中で実装そのものではありませんが、実装のベースとなっている基本的な処理(アルゴリズム)は、すでに公表しております。
これは、近年では人体への感染力を持ったウイルスの遺伝子解析情報を公表しようとした際に、国際社会が情報公開を一時ストップさせた措置と類似します。
この遺伝子解析情報は、生物化学兵器を生産するのにも役立つからです。
こうした社会安全保障上の見地から開発した技術・商品に自主的な規制を加えることと、本当に信頼できるパートナー様との関係を構築し、健全な市場モデルを構築して市場展開していくことは、零細ベンチャー企業としては、非常に大きな負担となりましたが、今日、厳格化する法令対処において、秘密分散技術(電子割符)が利活用される段階に入っております。
当該技術をゼロから作り出した弊社としては、本当に当該技術の市場啓発等に関係した、官民各位に心より感謝する次第です。
さて、少々話しが長くなりましたが、私が実際に最初に情報管理で秘密分散技術(電子割符)を利用したモデルは、
ID/PASSや認証情報の管理
です。
普段PCや社内システムログイン、WEBアクセス等で何気なく利用しているのが、ID/PASSですが、当時複数のID/PASSを利用しており、正直その管理が面倒で仕方なかったのです。
今回、弊社技術ライセンス先である、寿精版印刷株式会社様(注1)のご協力の下、ID/PASS等の管理を割符化して行える仕組みのβ版ができました。
近く、商品版を皆様にご紹介できると思います。
ID/PASS等の管理は、ITの根幹であり、ITセキュリティの大前提です。
その根幹となる大事な情報管理に、最高の安全性を持つ電子割符(注2)を用いたアプリをご提供できるようになります。
安全・安心、簡単・便利。
そうした相矛盾する要求に応えるのも、利用者目線で基礎技術開発を行った弊社だからこそできることです。
今後も弊社は、高度化する情報管理において、あくまで利用者目線で本当に必要なものを作り出し、同時に社会全体との調和・法令解釈上の有用性も考慮しつつ、広く社会に貢献してまいります。
注1:
寿精版印刷株式会社様WEBhttps://www.rex.co.jp/
同上 ITソリューションサイト
https://www.rex.co.jp/
注2:
産総研様との共同研究の第二期結果概要報告
http://www.gfi.co.jp/01news20160202_398.html
(過去東京大学をはじめ複数回の外部評価を受けています)
グローバルフレンドシップ株式会社
代表取締役社長 保倉 豊
本リリースに関する問い合わせは、
グローバルフレンドシップ株式会社
まで、お問い合わせ下さい。
本件関連弊社WEB既公開NEWS
- 勉強会開催新聞記事とセミナー講演の件
http://www.gfi.co.jp/01news20160710_410.html - 秘密分散技術(電子割符)の標準化に向けたガイドライン
http://www.gfi.co.jp/01news20160301_400.html - そのデータ、完全削除しませんか
http://www.gfi.co.jp/01news20160223_399.html - GFI ISMS再取得事前準備実験成果の商品化について
http://www.gfi.co.jp/01news20160121_397.html - 現時点の秘密分散技術(電子割符)のライセンス方針等について
http://www.gfi.co.jp/01news20160114_396.html - マイナンバーの行政機関等・地方公共団体等編から
http://www.gfi.co.jp/01news20151025_389.html - 日本年金機構情報流出の検証報告から
http://www.gfi.co.jp/01news20151009_388.html - セキュリティ事故は発生するものです。
http://www.gfi.co.jp/01news20150728_384.html - 寿精版印刷様の「REXエスクローサービス」がリスクシェア型のマイナンバー法(番号法)対応を高度化
http://www.gfi.co.jp/01news20150410_375.html